8月26日、岡山国際ホテルで、国際経済学者・伊藤元重氏を講師に「新時代あきんど塾~なるほど!ザ・ワールドビジネス~」を開催した。
岡山YEG会員及び会員企業の社員、OB・OGや岡山商工会議所会員など、多くの地元経済人に、国際ビジネスについて考えてもらおうと企画。約350人が聴講した。
伊藤氏は昨今の国際情勢について「日韓、米中など政治は大きく動いているが『政冷経熱』で経済は関係なく熱い」ときっぱり。「日本は諸外国と比べ潜在成長率が低く、生産性が下がり続けている」とし、要因について20年前からビジネスモデルが変わっておらず、余剰貯蓄が多いことを指摘。10年、20年後に生き残れるよう、賃金アップや研究開発、M&Aなどへ積極的に投資し、環境問題やIT化など著しい変化への対応力を高めることの重要性を説いた。
また、グローバル化のキーワードに「グラビティ(引力)」を挙げ、「実際の引力は距離が近かったり、大きなものほど強くなるが、貿易でも同じことが言える」と、近国の中国や台湾、韓国、東南アジア諸国の重要性を強調。「アジアのマーケットは10~15年で中間所得層、富裕層がおよそ10億人増え拡大している」とし、「積極的に海外に出向き、どの地域や国とグラビリティを持つかを見極めてもらいたい」と話した。
6年間、政府の経済財政諮問会議に出席していた同氏の分析力と分かりやすい解説が聞け、自社の経営戦略を立てる上でのヒントが得られる充実の会となった。